日々bibiビーム VI

作ったり読んだりなにか書きたくなったり。

【読みました】『一汁一菜でよいという提案』

 土井善晴さんの

 『一汁一菜でよいという提案』(出版社のサイトにリンクしています)

を読みました。

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土井さんを知ったのはTwitterのタイムラインに「洗い米」について流れてきたときです(テレビなどで拝見していた気もするのですが、お名前までは記憶していませんでした)。それからこちらの対談を読みました。 

www.1101.com

私が独立する前は、実家ではお米は浸水してから炊いていたはずなのに、あるときから洗ったらザルに上げていました。なぜだろうと思っていたのですが、そのほうが美味しいとは。自宅と実家で味が違うのは炊き方が違うからだと思っていました。

自宅でも洗い米方式にしたら、ほんとに美味しく炊けました。なぜもっと早くこうしなかったのだろうと悔やむレベルで美味しくなった。

 

話を本に戻しまします。

久しぶりに本屋さんをぶらついていたらこの『一汁一菜でよいという提案』が平積みになっていて、まずその佇まいが目を引きました。カバーの地色、文字の色、そして帯の色がしっとりしていて。その色の意味があとがきに書いてありました。

それから気づく。ああ、あの土井さんの本だ、と。

「一汁一菜」という言葉にも惹かれました。今は食べすぎで病気になるなんてことも起きていて、実際自分も体調が優れなかった時期がありました。食事について注意を受けたので、そんなに食べなくてもいいのだと思うようになっていたのと、「一菜」ならご飯支度が楽そうだという希望もあって(この理由が一番大きい)、購入しました。

 

洗い米の方法が書いてあり、お味噌汁の写真なども載っていますが、レシピ本ではありません。和食とは本来どういうものか、ということが書いてあります。

それは祖父母の時代で当たり前に作られていた家庭の食事なのだけれど、現在は情報が多すぎてどうもおかしなことになってきている。そこで和食について改めてみなさんに知っていただいて、それを家庭での食事を通じて子どもたちに伝えてもらえれば、という趣旨ですね(間違えていませんか。大丈夫ですか)。

私が母から教わったこと、私が子どもの時分に普通だった食卓の風景は、この本に書かれている三分の二くらいで、三分の一は、初めて聞くこと(母が実践していなかったし、たぶん知識もなかったので私に伝わらなかったこと)でした。時代が下るにつれて、伝わるものはどんどん少なくなるのでしょう。

 

とはいえ、土井さんは「昔はよかった」ということをおっしゃりたかったのではなくて、

今の時代、食事を作る人は仕事や介護、子育てなどで忙しくて疲れている。そういう人が食事作りを大変だと思わないように提案したいのが一汁一菜。普段の食事はそもそも一汁一菜で十分で、それなら大変だと思わないでしょう?できそうでしょう?続けられそうでしょう?

そして、その一汁一菜に説得力をもたせようと書いていると、昔の食卓の在り方や今の食育みたいなことまで書くはめになってしまって気づくとそちらの比重が大きくなってできた本がコレ。あれ? 

ということのようです(私の勝手な脚色を少し混ぜてしまいましたが、あとがきにそのようなことが書かれていました)。

 

この本で「そうか、一汁一菜でいいんだ、基本はご飯とお味噌汁でいいんだ」と思った私、すっかり気が楽になってしまって、とりあえず、お味噌汁でいろいろな食材を摂るため、具だくさんにすることに。

今までも、お味噌汁には3種類の具を入れていたのですが、それを最低5種類にすることにしました。それに伴い、今までの汁椀より少し大きい器によそうことにしました。

土井さん方式だと、ご飯を炊いて具だくさんのお味噌汁を作った時点でご飯支度はクリア。

 

そう思ったら不思議なもので、もう一、二品、勝手に作りたくなってきたのですよ。

 

私は「料理をするのが楽しくてしょうがない」という人を心から尊敬しており、自分もそうありたいと思いつつ、料理は義務で面倒なものという気持ちから抜け出せずにいたのですが、

一汁一菜が基本だとすると、追加の一、二品は完全におまけで、いうなれば私からのちょっとした気持ち。なので手のかかるものではなくていいわけで、そうしたら面倒に思わなくなってきたのですよね。トマト切るだけでも彩り添えられるし、青菜茹でるだけでも立派だし、と思うようになって、そんな小さな手間でいいのだと思えるのはシアワセ。

育ち盛りの家族がいるので、ご飯とお味噌汁とは別にタンパク質も加えたいと思っていますが、それも全然凝る必要はないのよね。単品で焼くだけ、茹でるだけでも立派だし、でもなんだろ、それに自主的に手を加える自分。もちろん簡単な手間以上のことは思いつかないのですけれどね。

 

本のエッセンスはこちらの記事で読めます。

kokocara.pal-system.co.jp

一汁一菜は決して手抜きではありません。手抜きだと思うと後ろめたさを感じてしまいますが、そもそも和食の身上は素材を生かすこと。素材の持ち味を引き出すにはシンプルな料理がいちばんです。家庭料理は手をかけないことがおいしさにつながるのです。

 心強い。